原油価格 2008 5 24
高騰する原油価格。
こうした問題を産油国に問う傾向がありますが、
これは、はっきり言って、誤りです。
問題は、産油国にはなく、アメリカにあります。
今のところ、原油の需給には、問題ないのです。
アメリカと言ってもわかりにくいかもしれませんので、
WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が問題と言ったほうがよいでしょう。
世界の原油相場をリードするWTI。
そのWTIに、投機資金どころか長期資金まで流れ込んでいる現状があるのです。
こうした問題に対して、私は「通過点 2008 4 12」で解決策を書きました。
これに対して、「金持ち優遇だ」という批判がありますが、
こうした議論は、世の中の仕組みを知らない高校生レベルの議論です。
世界に存在する巨額の投機資金。
こうした巨額の投機資金の一部が、
株式市場から、原油を含めて商品市場に流れ出したら、どうなるか。
それは、誰でも想像できるでしょう。
この際、冷静に考えてほしいのです。
株式市場が、いくら高騰しても、誰も困らないのです。
しかし、原油を含めて商品市場が高騰したら全員が困るのです。
世界経済の活動において、
自然発生的に巨額の投機資金が発生していくのは、避けられない現実です。
こうした巨額の投機資金を、どうコントロールするかを考えるのが大人でしょう。
通過点 2008 4 12
私が、2008年1月3日に、原油相場に関して、
「1バレル100ドルは、単なる通過点となるかもしれません」と書いたら、
「そんな、ばかな。
原油相場は、やがて80ドル台まで落ち込む」という意見が多かったのです。
しかし、結果は、どうなったか。
結局、1バレル100ドルは、単なる通過点になったでしょう。
「原油相場は、意外に値動きがいい」
株式市場で暴れていた「巨額の投機資金」は、気付いてしまったのです。
しかも、中国やインドの需要増を考えれば、
さらに、ピークオイル説を採用するならば、先高感があります。
株式市場で暴れていた「巨額の投機資金」が、
原油だけでなく、貴金属、商品相場に向かうと、どうなるか。
それは、誰でも想像できるでしょう。
そういうわけで、こうした「巨額の投機資金」を株式市場に閉じ込めておく必要があります。
そのためには、今のところ考えられるのは、さらなる税制上の優遇措置でしょうか。
ともかく、他の市場(原油、貴金属、商品)よりも、
株式市場の方が、圧倒的に有利になる優遇措置を考えるべきです。
このまま、何もしないで、無策のままなら、1バレル200ドル。
「原油相場は、意外にも値動きがいい」